中学受験と大学受験。一言で「受験」といっても、そのありようは大きく異なります。それでもグノーブルには、大きな視点に立って生徒たちを育む共通する姿勢があると言います。
 そこで今回、大学受験グノーブルから2名、中学受験グノーブルから3名の先生方にお越しいただき、日々の授業での指導においてどのような工夫をされているのかをお聞きしました。
~学内誌『グノレット』22号の記事より~

受験に向かう親と子の距離感とは その1~大学受験編

子どもを信頼して見守る、成長を待つことの大切さ

纓田:中学入試は「親と子で一緒に臨む受験」だと思います。しかし入試が終わって、そのままのペースで中学生の勉強に進んでしまうと、干渉事があまりに多すぎて、生徒たちの自主性が育まれない状態に陥ります。お子さんが心配なのはよくわかるのですが、子どもを信じて任せる部分も必要だと考えています。
 先日行われた、大学合格者の保護者座談会の場に私も立ち会っていました。実はその中に、かつて私に相談のお手紙をくださった方もいらっしゃいました。そのお母さまが、当時心配されていたことにどのように対処されたのかというと、結局はお子さんを信頼して見守ることにされたとのことでした。
 座談会の場で改めて感じたことは、お子さんを信じて見守りながら成長を待つという姿勢が、ご参加いただいた保護者の皆さんに共通していたことです。お母さま方が本当にお子さんのことをよく見ていて、心配もしていらっしゃったのが伝わってきましたが、それでも本人には多く口を出さない。それが親御さんとしての非常に大切なスタンスであると感じました。
 お子さんが本当に悩みを抱えた時、親も相談相手として選択肢に入るという関係が高校生の段階で築けているというのは素敵なことだと思います。過干渉の親御さんや、無関心な親御さんにはお子さんは相談しないかもしれません。
 また、子どもたちが成長する時は、子どもたちが苦難を経験し、それを乗り越えて行く時です。過保護によってその苦難を取り除いてしまっては、子どもを成長させる大切な機会を逸してしまう気がします。

習慣化が難しい場合は手助けすることも大切

清水:中学1・2年生の低学年においては、親御さんにお手伝いいただいた方がいい場合もあります。英語の場合は習慣化することが大切で、特に耳と口を鍛えることが大切です。英語の音に慣れることで、英語表現ははるかに覚えやすくなります。ゆくゆくはリーディングの速度も精度も上がりますし、ライティングの力にもつながるというメリットもあります。グノーブルの音声教材「GSL*」を毎日耳にして、音読をして、まねをするという習慣が身につくまでは、ご家庭でもサポートをして見守っていただけるとありがたいです。本人が一人でできるのであれば問題ありませんが、どうしても習慣化が難しいという場合もありますので。
 しかし高校2・3年生になっているお子さんを親御さんがコントロールすることはほぼ不可能です。それを念頭に置いてお子さんの自主性を育み、子離れをしていくことが大切です。いざ問題を抱えた時に、お子さん本人が自分の問題として引き受けられるかどうかはそれまでの親子関係によると思います。

GSL(GnobleSoundLaboratory):中1から高3までの6学年すべてに毎週用意されているオリジナルの英語音声教材。

 

座談会に参加された先生方

纓田邦浩(大学受験グノーブル数学科)
清水誠(大学受験グノーブル英語科)
永井裕康(中学受験グノーブル理科科)
盛田一樹(中学受験グノーブル算数科)
山下倫央(中学受験グノーブル国語科)

第1回 大学受験と中学受験 それぞれの教育現場の今~その1 
第2回 大学受験と中学受験 それぞれの教育現場の今~その2
第3回 楽しく学べる工夫 その1~中学受験編
第4回 楽しく学べる工夫 その2~大学受験編
第5回 受験に向かう親と子の距離感とは その1~大学受験編
第6回 受験に向かう親と子の距離感とは その2~中学受験編
第7回 伸びる生徒と伸び悩む生徒の違いはどこにあるのか?
第8回 小・中・高の一貫した教育の実現