今回の「職員室より」は8/23(金)に開催された森上研究所主催のシンポジウム「理数大好きの小学生にするために」の内容に関する特別レポートです。

熱心な保護者が多数集まった会場の様子

熱心な保護者が多数集まった会場の様子

シンポジウムの開催場所の私学会館「アルカディア市ヶ谷」はJR・地下鉄市ヶ谷駅から徒歩2分の非常に交通の便の良い場所にあります。低層階にはレストランなどが、高層階は会議室や宿泊施設があり、今回は5階の会議室でシンポジウムが開催されました。写真の通り、熱心な保護者の方々に多数お集まりいただきました。

まず、大学受験・中学受験グノーブルの三浦先生からは、お子さまの学力を「種」にたとえてのお話しがありました。
お子さまの成長を正しく「ほうっておくこと」の大切さや難しさ、特に小学校高学年になるにつれて、勉強したことが単純に成績に反映されなくなった時、どのように親御さんが自分の子どもに接していくべきなのかについて、いろいろなケースを例に取り上げられていました。特に、大学受験の数学にくらべて中学受験の算数は、受験生の努力が報われる度合いが低い傾向にあり、だからこそ小学生のさまざまな不安を取り除いてあげることが大切、という指摘が印象的でした。

続いて、『中学受験 お父さんが教える算数』の著者である竹内先生からは、算数好きのお子さまの共通点から①指導者としての教育ママ(パパ)の存在、に加えて②問題を前にして共に悩む経験、この2点のバランスが大切であると話されていました。特に後者は、共に考え、悩み、時に子どもの説明に耳を傾ける機会を作ることが大切だと指摘されていました。また、具体的な入試問題を取り上げて、受験算数において「思考力」とはどういうことなのかという点についてお話もありました。1つの問題が解けたり解けなかったりする原因や背景について説明されていて、大変興味深かったです。

最後に、四谷大塚の理科主任を長くつとめられた小川先生からは、理科の学習を進める上で「体験から学ぶこと」の大切さについてお話がありました。実際の入試問題では、与えられた条件から答えを推理していくような出題が増えており、これに対応するためにも単なる知識を覚えるのではなく、自分の体験を元に考える力が必要、とのことです。理科はさまざまな学習単元がありますが、まずは興味があるところから伸ばすべきだ、との指摘もありました。説明のためにアゲハチョウの羽化のシーンのビデオを流されていましたが、実際はお子さまの前で羽化するところを見せるとのことでした。

【最後に】
講演者のお三方とも、長年の指導経験の中から発せられる熱いメッセージがこめられていたレクチャーでした。終演後も、熱心な保護者の方が会場に残り、講師の先生方に積極的に質問なさっていて姿も印象的でした。