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国語講師座談会 第8回 中学受験生の保護者へのメッセージ

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8回にわたり、中学受験グノーブルの国語科の先生による座談会を連載いたします。

-中学受験で伸ばす国語の力-
中学受験の国語の特色や効果的な学習法、グノーブルの指導や特色などについて国語科の先生4名に語っていただきました。(『グノレット』24号掲載「グノーブル 国語講師座談会」より)

 第8回 中学受験生の保護者へのメッセージ

-テクニック的なものを磨いたりする以上に親御さんしかできない膨大な領域というものがあるように思います。

高橋:お子さんが前向きに勉強したいと思える環境づくりを心掛けて、日々接していただきたいと思っています。

 私たちは授業の中で、生徒自身が面白い、もっと知りたいと感じられる時間をつくることを第一に考えております。単なる押し付けになってしまうと、期待する効果は結局得られません。受験勉強であっても、学ぶこととはこんなに面白いことなのだと感じられるような環境づくりを心掛けてほしいと思います。

 高学年になって受験が近づいてくるとテストの点数はどうしても気になります。これはある程度避けることはできないことですが、そういったことを幼い頃からあまり意識しすぎてしまうと、勉強がテストで点数を取るための手段になってしまい、学ぶ喜びが得られなくなり、結果として学力の向上が図れなくなる恐れがあります。

 また、国語が嫌いだという生徒の多くはその理由として、答えがひとつじゃないから、とよく言います。そして、そんな生徒の保護者の方も、国語ってわかりづらいですよね、答えがひとつじゃないから、と同じようなことを口にされることが多いです。しかし、大切なことはひとつの答えを求めることではなく、学ぶことや考えることを楽しむこと、以前できなかったことができるようになる喜びを感じることだと思います。きれい事のように聞こえるかもしれませんが、実際にそのような学習姿勢が身についている生徒には粘り強さがあり、成績も優秀です。

 お子さんと接している時間を長くとることが難しいご時世だからこそ、お子さんに接する際には、結果だけで判断するのではなく過程の部分を認めてあげることを心掛け、お子さんが自己肯定感を得られるように導くことが、結果として高い学力を養成することにつながるように思います。

大澤:保護者の関わり方について、これから中学受験を始めるご家庭にお願いしたいことは、お子さんにとって一生に一回の中学入試を家族総出で楽しんでほしいということです。もちろん、思うようにいかずにつらいときや、苦しいときもあると思いますが、我々がしっかりサポートして目標に向かって寄り添っていきます。

 国語という教科についても我々の授業を楽しんでほしいです。授業を通じてひとつでも多くのことを考える、身につける、表現する、そういうことをいつも提供していきます。

兵頭:保護者の関わり方としておすすめできるのは、お子さんにいろいろ尋ねてみるというものです。塾から帰ってきたら「どんなお話だった?」「この問題はどんなふうに解くの?」と聞いてみる。あるいは、国語の問題がわからないという場合には、どんな文章で何を問われているのかを聞いてみる。押し付けたり、〇か×かで評価したりするのではなく、純粋な疑問、知りたいという気持ちでいろいろ聞くというのが保護者のスタンスとしてすごく大事なのではないかと思います。

 「これって普通こうでしょ。なんでわかんないの?」というような言い方をしても、「いや、わからないから間違ったんだよ」ということにしかならないばかりか、お子さんの感性や可能性を潰すことになりかねません。これは一番気をつけるべきことです。我々も肝に銘じていることですが、保護者の方々にも聞いて引き出すという姿勢は持っていただけるとうれしいですね。

山下:同じ主題をいろいろな角度から話してきましたが、そもそも保護者の関わり方で、子どもはこうすると必ずこうなるという方法論は存在しないと思っています。その上でふたつの点について触れたいと思います。

 まず、国語が苦手な生徒がはたしていつ成績が伸びるのかという話です。これは正直に言うとわかりません。5年生のときに伸びる生徒もいれば6年生の11月ぐらいに急に変わる生徒や、厳しい状況だなあと思っていた生徒が入試の1か月前に変わったという場合もあります。成長曲線は本当にバラバラです。いつどこで何がくるかわからない。それならば、嫌いにさせて潰すということだけはしないほうがいいです。いつか伸びるかもしれないので、待ち続けなければいけないのですね。いつ成長するかは僕らでもわからない。わからない以上は待つしかないので、その前で芽を摘むことはやめましょう。嫌いにさせないことが最も大切だと思います。

 2点目はご家庭で子どもと接するときに、「なんで」「ダメじゃない」とか「さっき言ったでしょ」「もう」というような表現ではなく、親がきちんとした言葉で伝わるように、すなわち文章として成立するようにお子さんに語りかけてほしいと思います。そうするとお子さんも人に伝えるためには、こういうふうに言わねばならない、そして書かねばならないということを自然に学んでいきます。子どもが家庭で学習するのは、実はこういった言葉の質の部分です。問題をやりこんだり、テクニック的なものを磨いたりする以上に保護者の方にしかできない膨大な領域というものが本当はあるように思います。

高橋:保護者のお子さんに与える影響について少し強調する内容になってしまっていますが、子育てに正解を求めようとすると、かえってお子さんをゆがめることになるような気がします。大人にも分からないことがたくさんあるのだから、子どもと一緒に成長すればいい、という気持ちでお子さんに接したほうが、お子さんの自立や積極性を促せるのではないかと思う部分もあります。

 この対談を最後まで読んでいただいた保護者の方には、読んだことをヒントにして、もう少しリラックスして、お子さんと一緒に受験勉強を楽しむ意識を持っていただけると、お子さんも伸び伸びと過ごせるようになり、持っているものをもっと伸ばすことができるのではないかと考えています。

国語講師座談会 出席者のご紹介

大澤 塁・高橋 祥一郎・兵頭 徹治・山下 倫央(中学受験グノーブル国語科)

6年生対象で6・7月に開講!

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