8回にわたり、中学受験グノーブルの国語科の先生による座談会を連載いたします。
-中学受験で伸ばす国語の力-
中学受験の国語の特色や効果的な学習法、グノーブルの指導や特色などについて国語科の先生4名に語っていただきました。(『グノレット』24号掲載「グノーブル 国語講師座談会」より)
第6回 グノーブルの国語について④【6年生の志望校対策】
-従来の志望校対策教材は形式さえ似ていれば良くて、文章の内容を省みられていないものが多かったように感じます。しかし内容あっての形式であり、授業としてしっかり成立する教材でありたいと思います。
司会:受験学年になったときのグノーブルでの取り組み方をお聞かせください。
高橋:6年生の9月以降は日曜日に志望校別特訓授業が始まり、志望校に即した対策を本格的に行います。また、同時に各生徒に併願校を含めて入試問題の演習をしてもらい、添削をしてお返しします。このように集団の授業と個別の対応とを並行して行っております。
本質的な国語の力があればどんな学校でも対応できると考えて我々は指導しています。ただ、受験では1点を争う熾烈な争いになるので、やはり各学校の出題形式に慣れるなどの点についても、最後にしっかりと仕上げていきます。
兵頭:志望校別特訓の国語の授業時間は105分です。80分や90分ほどで授業を行っている塾も多いようですが、演習時間を50分程度とると、30分ほどしか解説できる時間がなくなってしまいます。そうすると、本当に駆け足になってしまい、答え合わせに近いような授業にもなりかねません。
演習時間よりも長い時間を解説に割くことで、その学校が何を求めているのか、この問いではどの程度得点すべきだったのか、そしてその学校で合格点を取るためには具体的にどのような考え方、技術が必要なのか、といったところまで志望校対策を丁寧に行うことができます。
その上で、普段の授業と同じように、せっかくこんなにも味わい深い文章を扱うのだからこの話はしてあげたいなということもあわせると、気をつけてはいるものの、つい授業時間が延びてしまうこともありますね(笑)。
山下:学校別対策の教材について形式という側面で考えれば、50分なら50分の限られた試験時間内でどこまで処理できるかが最終的に重要な点なので、分量や出題形式、大問構成などの形式面での対応も一定の効果があると思います。
一方、文章の内容の側面ですが、そこは形式面と齟齬がない限り、文章自体が読むに値する、つまり仮にその学校を受験しない生徒が読んでも面白い、と思ってくれるような内容である必要があると思います。
当たり前のことを言っていると思われるかもしれませんが、従来の対策教材は、内容そっちのけで形式さえ似ていれば良くて、文章の内容を軽視しているものが多かったように感じています。しかし、内容あっての形式であり、やはり授業としてしっかり成立する教材でありたいと考えています。
何点取れたかの確認以外に価値が見いだせないような教材ではなく、解答後50、60分の授業をしても興味を抱きながら盛り上がり、生徒自身で何かを見つけられるような教材がいいですね。
国語講師座談会 出席者のご紹介
大澤 塁・高橋 祥一郎・兵頭 徹治・山下 倫央(中学受験グノーブル国語科)