4回にわたり、中学受験グノーブルの算数科の先生による座談会を連載いたします。

-中学受験を通して伸ばす算数の力-
中学受験の算数の特色や効果的な学習法、グノーブルの算数の指導や特色などについて算数科の先生3名に語っていただきました。(『グノレット』20号掲載「グノーブル 算数講師座談会」より)

第4回 中学受験、算数で伸ばす力

中学受験をすることの魅力、価値とは何か?

伊藤:中学受験を通して、4教科どの科目も普通ではなかなか到達できない高いレベルの学習を経験できます。また、たとえ成果が出ない時期があったとしても、頭を使って考え、問題を解決しようとする姿勢はその後の生活の中でも必ず役立つと思います。

盛田: 中高6年間のより良い環境を選べるというメリットの他に、さまざまな学習・経験を通して自分の興味や将来について考えるきっかけが増えるという点も見逃せません。中高生になっても同じようなことは考えますが、より早い時期により広く考える機会を持つことができると思います。

三原:子どもたちにとって、中学受験をする中で体験し、身につける考え方、あるいは考える姿勢そのものというのは、その後のお子さんのアイデンティティの形成に影響するところが大きいと思います。

伊藤:世の中が大きく変化する中で、肩書きとしての「学歴」の相対的価値は下がっていくでしょうし、生徒をレールに乗せて運んでいくだけの中学受験はマイナスであると思います。
しかし、自分の頭を使って問題に挑んでいくことの大変さと、大変だからこそ得られる達成感、それが次への意欲と自信につながるような中学受験の経験は、新しい時代に向けてその価値が大いに高まっていくと考えています。

算数はどのような科目か?

三原:単純な答えですが、算数はとても面白いものです。知的好奇心を満たしてくれますし、解けたときの達成感が得られる科目です。こうしたことを子どもたちに伝えることが、私にとっての楽しみでもあります。

伊藤:理系・文系といいますが、実は理科と算数というのは真逆な科目とも言えます。理科は先に事象があってそこに理屈を考えてつけていきますが、算数には理屈しかありません。事象がなくても話がどんどん進む学問です。極端に言えば、何の知識もなくても、考えて答えを導き出すことができます。
現代では知識や情報は調べれば簡単にみんなが平等に手に入れることができます。その上でそれをどうするかを考える力、組み合わせてそれを利用する力を養うためにも算数は役に立つ科目なのかなと思います。

盛田:算数は「完成形」がある科目だと思います。わかってしまえば100点が取れます。たとえば国語で満点を取るというのは、なかなか難しいです。理科や社会も全部知っている、全部わかりきる、全事象を把握するというのは難しいです。
一方、算数は小学生レベルの知識や経験でも全部解ける科目です。本人の理解力、捉え方によってどこまでいったとか、どれが解け、どれが解けなかったとわかりやすい面があります。そういうところが教えていて楽しいですね。

三原:中学になって数学を始めるとき、算数とはまったく別のものが始まったんだという気持ちで臨んでしまうと、とっつきにくかったり、急にわからなくなったりします。グノーブルの場合、その部分をきちんと繋げて、算数ではこういうふうに表していたものを数学ではこういう表記に変えるとか、同じことを別の側面から話しているんだよというように、算数と数学を別物とは考えず導いていきます。グノーブルの算数で得た経験をぜひ数学でも活かしていってほしいと考えています。

算数講師座談会 出席者のご紹介

伊藤 琢真・三原 孝志・盛田 一樹(中学受験グノーブル算数科)