8回にわたり、中学受験グノーブルの国語科の先生による座談会を連載いたします。
-中学受験で伸ばす国語の力-
中学受験の国語の特色や効果的な学習法、グノーブルの指導や特色などについて国語科の先生4名に語っていただきました。(『グノレット』24号掲載「グノーブル 国語講師座談会」より)
第1回 中学受験を通して身につく国語の力とは
-国語の授業は背伸びをする機会。精神的な成長も国語の学習を通して獲得されていきます。
兵頭:国語は根本的にはコミュニケーションを学ぶ教科だと思っています。相手の問いかけを正しく理解し、自分なりに応える。大人になってもずっとこうしたことを続けていくわけなので、生徒たちにはグノーブルの授業でのやり取りを通して、対話できる力を身につけてほしいと思っています。
大澤:これもコミュニケーションの一側面ですが、文章を書いて思いを相手に伝えるという力を身につけることができる点も大切だと思います。
また、自分だけではなくて相手が何を考えているのかということを文章から読み取る力というのも、中学受験の学習を通して伸ばせる力だと思います。
高橋:書いてあることを読み取る力はとても大切だと思います。まず文章を読んで何が書いてあるのかということをつかみ、その上で文章を書いた人が何を伝えようとしているのかをきちんと捉えること。こうした読み取る力を身につけることを意識して普段から指導にあたっています。
授業では、文中の言葉を一つひとつ噛みしめながら文章を読んだり、視点を変えて読むと見えてくる内容を示したりすることで、生徒自身がひとりで読むときにはなかなか実践しづらい点を手助けするようにしています。
読むということについてさらに言うと、話の流れをつかむこと、つまり、前に書いてある内容と今読んでいる内容をつなげて理解するということが苦手な生徒が案外多い気がします。授業では単に問題を解くだけではなく、講師と生徒たちとが読んだ文章について対話をしながら、内容の理解を深められるような指導を心掛けています。こうしたやりとりを積み重ねていくことによって、確かな読解力を身につけることができると考えています。
山下:中学受験で出題される文章は、小学生にとって身近な生活の中で体験できる枠からはみ出るものが少なくありません。つまり高校生や大学生が読者層であるような文章を読まなければいけないということです。中学受験の勉強を通して身につく国語の力というのは、結果的にそのような内容の深い文章というものを理解できるようになることだと思います。
国語においては、いわゆる背伸びをさせることが、子どもの成長を促す面があると思います。読書でも、今の精神年齢にちょうどいいものを与えることは悪いことではありませんが、それだけでは未知の事柄に出合うことで生じる困難や気づきは得られません。グノーブルでの国語の授業は背伸びをする機会であり、こうした精神的な成長というものも国語の学習を通して獲得されていくものだと思っています。
国語講師座談会 出席者のご紹介
大澤 塁・高橋 祥一郎・兵頭 徹治・山下 倫央(中学受験グノーブル国語科)