5回にわたり、中学受験グノーブルの国語科の先生による座談会を連載いたします。

-中学受験を通して身につける国語の力-
最近の国語入試の状況、国語の力を伸ばすためには何が必要なのか、グノーブルの国語の指導や授業の特色などについて国語科の先生3名に語っていただきました。(『グノレット』16号掲載予定「グノーブル 国語講師座談会」より)

第3回  中学受験グノーブルの国語の特徴とは

 文章読解に時間をかける

hyodou兵頭:授業では文章読解に多くの時間をかけています。そうすることによって設問や文章に、文章の中でもさらに文章の構造にまでさかのぼって理解を深めることができます。すると文章を論理的、構造的に読むことができ、それを相手に伝えるというところまで目を向けることが出来るようになります。そして、理解の土台になっている「常識や言葉の実感」にたどりつけるようになるのです。この過程に多くの時間を割くのはとても有意義なことです。結局ここに時間を割かないで授業を終わらせてしまうと、授業としては成立したとしても、生徒たちが授業を通して得られるはずの文章構造の理解や言葉に対する実感、国語への親しみなどが得られなくなってしまいます。こうしたことが、読解に時間を割く意義であり、グノーブルの国語の授業で重視している点です。

yamashita山下:進学塾の中には、国語の授業を知識分野と読解分野に明確に区切っている場合があります。一方、グノーブルでは、講師の裁量や工夫でいかようにも可変的にできるシステムです。これにはとても大きなメリットがあります。先ほどのお話にもありましたが、あらすじの確認だけで終わるようなことがなく、文章の背景や社会状況、人々の考え方にまで踏み込むことができるので、授業の幅が大きく広がります。結果として、今の入試問題の傾向にマッチングした指導ができるようになります。読解問題の比重がとても大きい現状で、読解と知識の時間を半々に区切るような必要はないと考えています。

oobayashi大林:ただ文章を読んで記述して終わり、ということではなくて、文章に付随することや一見関係がないことでも生徒と対話をすることで、話題が大きくふくらんでいきます。そういう授業を今のグノーブルでは展開しているのです。もちろん誰でも簡単にできる授業ではありませんので、どの先生も準備に多くの時間をかけ、万全を期して授業に臨んでいます。

兵頭:授業で大事にしていることは、今、目の前にいる生徒たちの表情や様子を見て教える側の私たちが何を話すべきかを感じる、ということです。目前の生徒たちが必要としていることを話したい、そう強く思って授業をしています。生徒と対話をすることでよい関係が構築できれば、いろいろな意見が出てきたり、それによってさらに議論が発展したり、さらには生徒それぞれの個性がつかめて、お互いがより打ち解けられ、密度の濃い時間を過ごすことができると実感しています。
 また授業中では必ず添削を行います。毎回の授業で生徒の解答をその場で添削していきますが、これは生徒たちにとっては記憶が新しいうちにポイントが指摘されることでいっそう理解が深まり、講師にとってはその生徒が今必要としていることを感じる大きな手がかりにもなります。何を理解できていなくて、どんなことを話せばよいのかを判断する大きな手助けとなるのです。

 授業・教材・テストが一体となった理想的なシステム

毎回の授業で配布されるグノーブルのオリジナルテキスト

毎回授業で配布されるグノーブルのオリジナルテキスト

山下:授業で使用する教材の文章は、生徒たちの知的好奇心を満足させる、読んで面白いということが大切です。面白くないと生徒たちがあれこれ考えて意見を言う気力がなくなってしまい、授業が沈滞します。逆に面白い文章であれば、その文章を媒介として先生と生徒や、生徒同士のやりとりが活発化し、さらに家に帰ってまで話したくなります。いくつもの「気づき」が期待できる、知的好奇心を大いにくすぐるような文章を教材に採り入れています。

兵頭:とにかく良質で面白いもの、強いて言えば時代の中で生き抜いてきた文章を毎回のオリジナル教材に採り入れるようにしています。学年に関わらず、基準はひとつ、「面白い文章」です。

大林:最近の文章も積極的に採用しつつ、欠かせない名作など古い時代の文章も入っていますので、とてもバランスがとれている教材だと自負しています。

兵頭:作問については、問題数を増やすことに重きを置くのではなく、問うべきことを問う、文章の展開や流れを踏まえて、それぞれのポイントとなる箇所に楔を打ち込むような作問を心掛けています。それぞれの文章には、ここでこれを問いたい、次にこれ、そしてこれというようにはずせない問いがあるのです。そして、それらをきちんと確認することは、同時に文章を構造的につかんでいくことにもなるのです。

山下塾内の月例テストでは意識して記述問題を多く出題しています。授業での成果が的確に判断できなければテストを実施する意味がありません。

兵頭:このように、グノーブルの国語は授業、教材、テストの三つが一体となった指導体系になっており、生徒にとって学びやすく、国語の力を大きく伸ばせるシステムになっているのです。

国語講師座談会 出席者のご紹介

大林 和弘・兵頭 徹治・山下 倫央(中学受験グノーブル国語科)